お彼岸の時期ですね。春のお彼岸は、「春分の日」を中日として前後3日間。
計7日間が「お彼岸」の期間とされています。
年に2回ある春と秋のお彼岸は、故人や先祖を想う大切な時期。
供養やお墓参りのために家族や親戚が集まり、
一緒に食事をする方も多いのではないでしょうか。
そんなお彼岸のお供物、食べ物の定番と言えば、おはぎ(ぼた餅)です。
丸くした餅米を、赤いあずきで作ったあんこで包んだものですが、
”あずき”の赤色には魔よけの意味があるとされ、
お彼岸以外でも様々な場面で食され、大昔から人々に愛されてきました。
そんな日本古来のスーパーフード小豆には栄養がたっぷり。
赤色の元となっているポリフェノール、そして食物繊維にタンパク質、
ビタミンB群や鉄など、健康に嬉しい成分が豊富なのですよ。
そこで今回は、
【小豆の栄養と効果】をご紹介します。
小さい粒に詰まった小豆の健康パワーを元気な毎日に役立てましょう。
小豆の栄養と効果
古来より薬用としても利用されて来たあずき。
あずきはスーパーフードと言われる程栄養豊富な食物です。
便秘や肥満対策に役立つ食物繊維をはじめ、貧血対策に効果的な鉄分、
強い抗酸化力を持つファイトケミカルなど、様々な栄養素をバランス良く含んでいます。
あずきに含まれる代表的な栄養やその効果をご紹介します。
タンパク質
あずきには「タンパク質」が豊富に含まれています。
タンパク質は、筋肉や内臓、肌や髪の毛、血液、骨をはじめ、
ホルモンや酵素、免疫物質の材料にもなる重要な栄養素です。
植物性のタンパク源といえば、「畑の肉」とも呼ばれる「大豆」が有名ですが、
茹であずき100グラムで10グラム近くのタンパク質を摂取出来、
大豆の2/3もの量のタンパク質を補うことが出来ます。
尚且つ、大豆と比べると100グラム中1グラムと脂質が少ないのも特徴。
高たんぱく低脂質な優秀食材と言えます。
食物繊維
あずきには「食物繊維」が豊富に含まれています。
食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類がありますが、
あずきに豊富なのは、水に溶けにくい性質を持つ「不溶性食物繊維」です。
不溶性食物繊維は、水分を吸収して便のカサを増やします。
腸を刺激して排便を促すほか、有害物質を吸着させ絡めとることで老廃物を排出。
腸の大掃除をして腸内環境を良好に保つのに役立ちます。
また食物繊維には、糖が吸収されるスピードを緩やかにして血糖値の急上昇を抑える働きもあります。
「肥満ホルモン」インスリンの分泌を抑え、脂肪の蓄積を防ぐ他、
腹持ちが良くなることで、ダイエット中に感じやすいイライラも軽減できます。
サポニン
あずきには、ファイトケミカルの一種である「サポニン」が含まれています。
ファイトケミカルとは、植物などに含まれる天然由来の成分からなる化学物質のことで、
強力な抗酸化力を持ち、体を若々しく健康な状態に導いてくれます。
「サポニン」は、あずきのえぐみや苦味の元になっている成分で、
コレステロール値や中性脂肪を下げ、弱った幹細胞を修復する。
血行促進、抗炎症作用、整腸作用など、様々な効果があることが知られています。
強い抗酸化作用があり、老化の元となる活性酸素の害から細胞を守り、
老化や病気を防ぐほか、発がん物質を抑制する効果も期待されています。
アントシアニン
あずきの赤色は、ポリフェノールの一種「アントシアニン」によるものです。
アントシアニンは目の網膜のロドプシンと言う色素の再合成を助け、
目の働きを高め、疲れや視力を回復する効果が知られています。
強い抗酸化作用を持ち、老化や病気を防いでくれます。
カリウム
「カリウム」には、細胞内液と外液の浸透圧を調整する働きがあります。
余分なナトリウムを尿中に排泄し、むくみの改善や血圧を正常に保つ働きがあります。
塩分を多く摂りがちな日本人、特に体がむくみやすい女性にお勧めの栄養素です。
ビタミンB1
「ビタミンB1」は糖質の代謝に欠かせない栄養素です。
ご飯や麺類、パンなどの糖質が分解され、
エネルギーに変換される時には酵素が働きますが、
ビタミンB1はこの酵素の働きを促す補酵素の役割を担います。
ビタミンB1を食事から補うことで疲労を回復、体を元気にしてくれます。
また、肝臓に負担をかける有害物質を解毒させる働きを持つため、二日酔いの解消にもお勧め。
糖質は脳のエネルギー源であるため、脳の働きを良くしたり、
イライラを抑え、精神を安定させるなどの効果も期待できます。
不足すると糖質のエネルギー代謝が悪くなり、痩せにくくなったり、
疲労感や集中力の低下を招く原因となることがあります。
特に甘いものや主食等、糖質を多く摂ってしまう人は積極的に補いたい栄養素です。
鉄
あずきには「鉄」も含まれています。
鉄は赤血球の材料となり、全身に酸素を運ぶ重要な役割をしています。
貧血や疲労感の予防、冷えの改善、ダイエットを円滑にする他、
肌のくすみを晴らし美肌に導く効果などが期待できます。
特に女性に不足しやすい栄養素ですので、食事でしっかり補うことが大切です。
ちなみに、あずきなどの植物性食品に含まれる鉄「非ヘム鉄」は、
ビタミンCを含む食品と一緒に摂ることで吸収が高まります。
あずきを食べる際の注意点
この様に、あずきには体に嬉しい栄養素がたっぷりと含まれていますが、
食べる際には注意すべき点もあります。
あずきには食物繊維が豊富ですが、あずきに多く含まれる「不溶性食物繊維」の摂り過ぎは、
下痢や便秘、便秘によるガスや下腹部のハリなど、お腹の不調に繋がる場合があります。
体に良い成分も、過剰摂取は害になることもある為、
体の調子を見ながら適量の範囲で食べるようにしましょう。
また、あずきを原料として作られる「あんこ」には
大量の砂糖が加えられているものが多く、糖質が多くなります。
糖質の摂り過ぎは肥満の原因となるため食べ過ぎには気をつけましょう。
ダイエット中の場合、菓子類であれば1日に200キロカロリー以内にとどめておくのがお勧めです。
栄養豊富なあずきを健康な毎日に役立てよう
あずきは低脂質・高タンパク且つ栄養価に優れた日本古来のスーパーフードです。
粒は小さくても大きなパワーが秘められています。
あんこに限らず、お赤飯や、煮小豆をスープやサラダに加える等、
様々な料理に活用して、あずきパワーを健康な毎日に役立ててみてはいかがでしょうか。