11月としては異例の暑さが続いた先週から一変、急に寒くなりましたね。
月曜日には東京で木枯らし一号が観測され、
各地からは続々と冬の便りが届いています。
気温が急激に変化すると体調を崩しやすくなります。
気温の変化による体調不良を防ぐためにも旬の食材を積極的に食べて、
寒さに負けない強い体づくりを目指したいですね。
そこで今回は、秋から冬に向かうこの季節に旬を迎える、
【ブロッコリーの優れた栄養素】をご紹介します。
野菜の中では珍しくタンパク質が豊富で、
アスリートや体作りをするトレーニーからも注目されるブロッコリー。
その優れた栄養素やお勧めの食べ方について見てみましょう。
寒い時期に甘みが増すブロッコリー
スーパーでは通年売られているブロッコリーですが、
ブロッコリーの旬は、秋から冬に変わる11月頃から、春先の3月頃までとなっています。
寒い時期のブロッコリーは甘みが強いのが特徴です。
旬野菜の甘みを存分に味わいながら、寒いこの時期の元気な毎日に役立てましょう。
ブロッコリーに含まれる注目の栄養とその働き
美肌のビタミンの代表格であるビタミンCやビタミンEを多く含むことや、
強力な抗酸化作用を持ち、エイジングケアに役立つβ-カロテンを含むことから、
「若返りの野菜」と称されるブロッコリー。
また、その他多くの栄養素を有することから「野菜の王様」と称されることも。
アスリートにも選ばれる、その注目の栄養素について詳しく見てみましょう。
野菜の中では珍しく「タンパク質」が豊富
ブロッコリーは野菜の中では珍しく「タンパク質」が豊富に含まれています。
タンパク質は三大栄養素の1つ。筋肉や内臓、肌や髪の毛、血液、骨をはじめ、
ホルモンや酵素、免疫物質の材料にもなる重要な栄養素です。
タンパク質を多く含む食品の代表と言えば、
肉や魚、卵、乳製品、大豆製品などですが、
ブロッコリーには、100gあたり4.3gものたんぱく質が含まれ、
低カロリーでヘルシーながら健康な身体作りに役立てることが出来ます。
野菜の中でトップクラスの「ビタミンC」含有量
ブロッコリーには「ビタミンC」がレモンの約2倍、
野菜の中でトップクラスに含まれています。
ビタミンCは、肌のハリや潤いを保つコラーゲンの合成に欠かせない栄養素です。
コラーゲンは細胞間の結合組織として、
皮膚だけでなく血管や骨、筋肉などを丈夫にする為にも欠かせません。
また、白血球を活性化させて免疫力を高めたり、
鉄の吸収を助ける作用がある他、ストレスに強い身体作りにも役立ちます。
皮膚や粘膜・目の健康に役立つ「β-カロテン」
濃い緑色で緑黄色野菜に分類されるブロッコリーには、「β-カロテン」が含まれています。
β-カロテンには強力な抗酸化作用があり、エイジング対策や病気の予防に役立ちます。
また、β-カロテンは体内で必要な分「ビタミンA」に変換されて使われます。
ビタミンAは皮膚や粘膜の強化に役立つ栄養素で、
ビタミンCやEと並ぶ”美肌のビタミン”の代表格です。
乾燥するこの時期に気になる乾燥肌対策、美肌対策に役立つ他、
抵抗力を高め、菌やウィルスに負けない強い体づくり、そして目の健康にも役立ちます。
造血のビタミン「葉酸」
ブロッコリーは、野菜の中でも「葉酸」が豊富です。
葉酸は、ビタミンB12とともに赤血球を作ることから「造血のビタミン」と言われています。
貧血対策として役立つほか、DNAやRNAなどの核酸やタンパク質の合成を促進し、
細胞の生産や再生を助けることから、身体の発育にも重要なビタミンです。
がん・老化予防で注目の「スルフォラファン」
ブロッコリーには、硫黄化合物の一種である「スルフォラファン」が多く含まれています。
スルフォラファンには強力な抗酸化力や解毒作用があり、老化予防やがん予防に役立ちます。
また、胃がんの原因になるピロリ菌を減らす効果があると言う報告もあります。
ジインドリルメタンとI3C(インドール-3-カルビノール)
ブロッコリーには、「ジインドリルメタン」と
「I3C」(インドール-3-カルビノール)という成分が含まれています。
これはアブラナ科の野菜に含まれる成分で、女性ホルモンのエストロゲンを抑え、
男性ホルモンのテストステロンを増やす働きを持つとされます。
アスリートや筋トレをする人にブロッコリーが選ばれる理由の一つがここで、
より筋肉が付きやすい状態に導く効果が期待できます。
その他の栄養
その他、ブロッコリーには、
腸内環境の改善や、血糖値コントロールに役立つ「食物繊維」、
むくみや血圧対策に役立つ「カリウム」、貧血予防や冷え対策に重要な「鉄」、
糖の代謝に欠かせない「ビタミンB1」、脂質の分解をサポートする「ビタミンB2」など、
美と健康に役立つ多くの栄養素がバランスよく含まれています。
ブロッコリーの栄養を効率よく補うポイント
ブロッコリーの栄養を効率よく補うには、
調理や食べ合わせにちょっとしたコツがあります。
豊富な栄養素をより効果的に補う為にも、以下のポイントを是非参考にしてみましょう。
茎(芯)の部分も捨てずに食べよう
ブロッコリーは可食部とされる房(つぼみ)の部分だけではなく、
茎(芯)の部分にも多くの栄養素が詰まっています。
茎の部分は捨ててしまう人も多いですが、
火を通すとコリコリ食感で美味しく食べられるため、
根元の硬い部分を落としたら、その他は捨てずに食べるようにしましょう。
ビタミンCの流出を防ぐ調理を心掛ける
ビタミンCなど、水溶性のビタミンは茹でることでお湯に流れ出てしまうことから、
ブロッコリーは茹でるのではなく、レンジでチンする調理や蒸す調理がお勧めです。
または茹でるにしても、短時間でさっと茹であげるか、
流れ出た栄養素を余すことなく取り入れられるスープで頂くのがお勧めです。
鉄の豊富な食材と合わせる
ブロッコリーに豊富に含まれているビタミンCは、鉄の吸収を良くする働きがあります。
鉄の豊富なレバーや赤身肉等と合わせることでより貧血対策に効果があります。
油を使った料理と合わせる
ブロッコリーに含まれるβ-カロテンやビタミンEは脂溶性のため、
油を使った料理と合わせると効率よく摂取することができます。
油で炒めたり、オイルドレッシングをかけたサラダなどで食べるのがお勧めです。
DHAやEPAと合わせて血管力UP
ブロッコリーに含まれるβ-カロテンと、
鯖やイワシ、アジなどに豊富なDHAやEPAが合わさることで、
血管力を高め、動脈硬化を予防する効果が期待できます。
また、アンチエイジングや脳の活性化などにも効果があるとされます。
栄養豊富なブロッコリーを冬の元気に役立てよう
鮮やかなグリーンとモコモコした見た目で食卓に彩りを添えてくれるブロッコリー。
冬に旬を迎えるブロッコリーは甘みが強いので、
茹でるだけ、レンチンするだけのシンプルな調理でも美味しく頂くことが出来ます。
また、クセのない味で和洋中様々な料理に活用できる点も嬉しいポイント。
みそ汁に入れたりフライや唐揚げにする、炒め物や和え物、
炊飯器に丸ごと入れて炊き込みご飯にするなど、意外とレシピも豊富です。
低カロリーで高タンパクなうえ、多くの栄養素がバランスよく含まれる優秀野菜。
調理のポイントも参考にしながら、旬を美味しく味わいつつ、
冬の元気な毎日に役立ててみてはいかがでしょうか。