ダイエットでは、時に予期せぬ障害に直面することがあります。その中でも特に厄介なのが、いわゆる
「ダイエット便秘」です。
この不快な状態は、ダイエットによる様々な落とし穴によって引き起こされます。食事制限に運動にと、日々ダイエットに励んでいるにも拘らずなかなか結果が出ない場合、それはもしかすると、自己流ダイエットが招いた「ダイエット便秘」が原因かも知れません…。
そこで今回は、ダイエット中に起きやすい
「ダイエット便秘」について、そのメカニズムと対策をご紹介します。
”便秘はダイエットの大敵” 便秘により腸内環境が悪化すると、老廃物が滞り代謝もうまく回らなくなります。ダイエット効率を下げ、せにくい状況を作らない為にも、是非以下を参考に、ダイエットの壁を乗り越えましょう。
ダイエットと便秘の意外な関係
ダイエットがきっかけで便秘になってしまう方は少なくないですが…ダイエットと便秘にはどの様な関りがあるのでしょうか?
以下では、ダイエットによって便秘が引き起こされるメカニズムとその対策についてご紹介します。
原因1:食事量の減少
ダイエットではまず、真っ先に「食事制限」に取り組む人がほとんどでしょう。食事から得られるエネルギーが減れば減量に繋がりますから、まずは食事を減らそうとするのは当然のことと思います。
しかし、早く痩せようとするあまり、極端に食事量を減らしてしまうと、これが原因で便秘を引き起こしてしまいます。
食事量が少なくなると、便を形成する食物繊維が不足し、便の量も減少します。また、食事から摂取する水分も減るため、腸の動きが鈍くなり、便秘を引き起こす悪循環に陥る可能性が高まります。
原因2:栄養の偏り
また、「○○ダイエット」などの、何か一つの食材ばかりを食べるダイエットや、野菜ばかり、肉ばかりの様な、偏った食事によっても便秘は起きやすくなります。
栄養はそれぞれの栄養素がお互いを助け合って働いています。偏った食事で栄養バランスが崩れれば、体の機能が低下し、腸の働きも鈍ってしまうことは言うまでもありません。
便秘解消に効果的な食物繊維においてもバランスは重要です。食物繊維には、水溶性と不溶性のものがあり、スムーズな排便を行うためには、この両方のバランスをとることが大切。あらゆる面でバランスが崩れやすいという理由から、偏った食事は便秘の原因になります。
原因3:脂質不足
脂質のカロリーは、糖質やタンパク質が1gあたり4キロカロリーであるのに対し、9キロカロリーと倍以上になります。高カロリーであることから、「油は太る」と認識されている方が大半ですよね?その為、ダイエットをする場合に、カロリーをできるだけ制限しようと脂質を極端にカットしてしまう方が少なくありませんが、これが便秘の原因になる場合があります。
脂質は私たちが生きていくために欠かせない3大栄養素の一つ。絶対に抜いてはいけないものです。腸内では便をスムーズに排泄するための”潤滑油”としての働きもあるため、便秘を引き起こさない為にも必要最低限の脂質は摂る必要があります。
ダイエット中に注意すべき便秘対策
では、ダイエットで便秘を引き起こさない為には、どんなことに気を付けて食事をとるべきなのでしょうか?
ダイエット中の便秘を防ぐ為の食事について、対策を以下にご紹介します。
対策1:食事量の確保
間違ったダイエットによって便秘を引き起こしてしまわない為に…まずは何といっても食事量を減らし過ぎないよう注意する必要があります。
そこで、余分なカロリーを制限しつつ、便のカサを確保するためには、野菜や海藻類、キノコ類を利用するのが最適です。これらの食材からは、便秘対策に効果的な食物繊維を豊富に補うことが出来ます。また代謝に不可欠な、ビタミンやミネラルを補うことが出来る為、巡りの良い身体に導いてくれます。
ポイントとしては、様々な種類、様々な色を、なるべく多く食卓に並べることです。これによって栄養のバランスや、食物繊維のバランス(不溶性・水溶性)も整いやすくなり、便秘解消に繋がりやすくなります。
また、良質な炭水化物を適度に食べることも便秘対策には重要です。
「糖質は血糖値を上げ、太る」と言う認識から、ダイエット中、ごはんや麺類などの「炭水化物」を一切カットする方も多いですよね? 確かに炭水化物はエネルギー源として知られていますが、全ての炭水化物が同じ作用をするわけではありません。
食物繊維を多く含む炭水化物は、消化器系の健康を促進し、便秘解消に役立ちます。特に、全粒穀物や野菜、果物に含まれる複合炭水化物は、ゆっくりと消化され、腸内での水分吸収を助け、便の量と柔らかさを増やして排便をスムーズにします。
そのため、ダイエット中でも適切な炭水化物の摂取は、便秘対策として非常に重要。炭水化物を完全に避けるのではなく、質の良い炭水化物をバランスよく取り入れるようにしましょう。
白米や精製小麦など、例え良質とは言えないものであっても、食べる順番を意識したり、食べ過ぎないように量を制限すれば必要以上に脂肪になることもありません。炭水化物は適度に、そして賢く取り入れて便秘解消に繋げましょう。
対策2:良質な油の摂取
健康的な食生活を送る上で、適切な「油」の摂取は重要です。便秘解消に役立つ潤滑油としての役割も果たすため、油分の不足には注意が必要です。とは言え、肉の脂や揚げ物の油などは、健康に対する懸念から控えた方が良いでしょう。一方、青魚やアマニ油、えごま油、オリーブオイルなどの油は良質でお勧めです。
油は油でも、種類によって健康に与える影響も様々です。これらの油からは、現代人に不足しがちなオメガ3系脂肪酸や、腸を刺激し便意を促すオレイン酸が含まれ、便秘解消に一躍買ってくれます。
油も適量であれば太ることはありません。むしろ、ダイエットに貢献してくれる強い味方になりますので効果的に摂り入れましょう。
対策3:水分摂取をしっかり行う
ダイエット中の便秘対策において、水分摂取は非常に重要です。水は消化器系のスムーズな機能を助け、食物の消化と栄養素の吸収を促進します。また、適切な水分摂取は便の量と柔らかさを保ち、排便を促します。さらに、水分は代謝を活発にし、体内の不要な廃物を洗い流す役割も担っています。
これらの理由から、ダイエット中は特に水分を意識的に摂取することが大切です。
便秘はダイエットの大敵
さていかがでしたか?
便秘に悩みつつも、「早く痩せたい」という思いが強いばかりに、間違った方法に取り組んではいませんでしたか?
冒頭でも申し上げた通り、便秘はダイエットの大敵です。ここを解決しないことには、ダイエットもスムーズに進みません。是非、便秘で苦しまない為にも、上記でご紹介した対策や運動を心掛け、健康的なスリムボディを目指しましょう。