
春は生命が躍動する季節です。植物が芽吹き、動物が冬眠から目覚めるように、人間も活動的になり、エネルギーの消費が増えていきます。その結果、血液の需要が高まり、”貧血”が多くなるのも春の特徴です。
貧血になると、力が出ないばかりか、疲労感や集中力の低下、免疫力の低下など様々なリスクが懸念されます。特に春は新年度のスタートであり、健康的に過ごしたいもの。毎日の食事から貧血対策を心掛け、元気な毎日を過ごしましょう。
そこで今回は、
【貧血対策におすすめの食事や裏技】についてご紹介します。新年度を元気に駆け抜ける為にも、ぜひ役立ててみてください。
貧血とは?
貧血は、体内の赤血球やヘモグロビンの量が減少する状態を指します。酸素を運ぶ力が低下するため、体に必要な酸素が十分に行き渡らず、結果として疲れやすさやだるさ、息切れやめまいを引き起こすことがあります。
また、顔色の悪さや肌質の低下、髪のパサつき、痩せにくいなどの美容面のマイナスから、頭痛、睡眠障害、イライラや気分の落ち込みに至るまで、様々な症状を引き起こす原因になることから、注意が必要です。
こうした春に増える貧血は、日常生活でのストレスや食生活の乱れ、さらには栄養素の不足によることが多くあります。しっかりと対策して、不調を遠ざけましょう。
貧血対策におすすめの食材
貧血対策には、鉄分やビタミンB12、葉酸、タンパク質を含む食材が効果的です。以下では、具体的どの様なものを食べると良いのか、おすすめの食材をご紹介します。
赤身肉(牛肉、豚肉、ラム肉)
赤身肉には、体に吸収しやすい特徴を持つ「ヘム鉄」が豊富に含まれています。
鉄分には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があり、赤身肉に豊富なヘム鉄は、非ヘム鉄に比べ、吸収率が5〜6倍と高くなります。食事に取り入れることで、鉄分を効率よく補うことができます。
レバー (豚、牛、鶏)

貧血対策と言えば、レバーが有名ですね。特に鶏レバーや牛レバーは鉄分が食材の中でもトップクラスに含まれています。赤血球の生成に不可欠なビタミンB12や葉酸も豊富で、貧血対策にはもってこいの食材です。
豆類(納豆、豆乳、レンズ豆、黒豆、ひよこ豆)
日本人になじみの深い、大豆製品をはじめとする豆類には、植物性の鉄分(非ヘム鉄)が含まれており、鉄分補給の重要な食品の一つとされています。ヘム鉄ほどの吸収率はありませんが、他の栄養素と組み合わせることで、吸収率を高めることが出来ます。
非ヘム鉄の吸収率を高めるためには、ビタミンCやクエン酸を多く含む食品と一緒に摂るのがおすすめです。例えば、納豆に刻んだネギを加えることで、効率よく鉄を摂取できます。
葉物野菜(ほうれん草、ケール、小松菜、春菊)

緑色の葉物野菜も、非ヘム鉄を多く含んでいます。こちらもビタミンCやクエン酸を一緒に摂ることで鉄分の吸収を助けます。赤パプリカやキャベツ、ジャガイモやレモン、梅干しやお酢など、組み合わせを工夫して、効率よく摂取しましょう。
ナッツ類や種子(ごま、カボチャの種、アーモンド、カシューナッツ)

ナッツ類や種子には、鉄分だけでなく、良質な脂質も含まれているため、健康的な食生活に役立ちます。おやつでそのまま食べたり、サラダのトッピングに加えると良いでしょう。
ただし、ナッツ類や種子は脂質が多くカロリーが高い為、適量の範囲で取り入れることが大切です。
魚介類(青魚、カツオ、牡蠣、あさり)
魚介類は、吸収しやすいヘム鉄とビタミンB12が豊富で、貧血対策に効果的です。
また、魚介類にはタンパク質が豊富です。タンパク質は、体内で赤血球を構成するヘモグロビンの合成に必要不可欠な栄養素です。鉄分を含む食品だけでなく、タンパク質をしっかり摂ることで、効率的にヘモグロビンを作り、酸素運搬能力を高めることができます。
鉄製の調理器具の使用もおすすめ

鉄不足を補うには、栄養バランスのとれた食事の継続が基本となりますが、手軽な裏技として、鉄製の調理器具を使用すると言うものがあります。
鉄鍋や鉄のフライパンを使用して調理したり、鉄瓶でお湯を沸かすなどで、ごく少量ではありますが、鉄が溶け出し、日々の食事に鉄分をプラスすることができます。鉄不足が気になる場合は、鉄分補給の補助的な役割として、鉄製の調理器具の使用を検討してみるのも良いかも知れません。
鉄分は人が健康に生きるために不可欠な栄養素
鉄分は、人が健康に生きるために不可欠な栄養素です。
春は新たなスタートを切る人も多い季節ですが、同時に貧血を起こしやすく、体調を崩しやすい時期でもあります。ぜひ、バランスのとれた食事を基本に、鉄分やビタミンB12、葉酸やタンパク質を豊富に含む食材を意識的に摂取し、エネルギッシュな毎日を送るための食生活を心がけましょう。