冬の代名詞と言えば、みかんをはじめとする「柑橘系のフルーツ」が思い浮かびます。1月のこの時期、スーパーの売り場には、黄色やオレンジの色鮮やかな柑橘類が並び、見るだけで元気が出ますよね。
これらのフルーツは、冬の寒さを乗り切るための栄養がたっぷり含まれており、美味しくて健康にも良いので、積極的に取り入れたいものです。
そこで今回は、みかんやぽんかん、はっさく、柚子など、寒い時期に豊富に出回る
柑橘フルーツのポジティブな魅力や、注目の栄養とその効果についてご紹介します。
ビタミンたっぷり、甘酸っぱいその魅力を存分に活用して、体調が気になる寒い冬を元気に乗り切りましょう。
柑橘類に含まれる注目の栄養素と効果
そのままでおいしいだけでなく、爽やかな香りと風味、鮮やかな色味で、料理の飾りやアクセントとしても楽しめる柑橘類。そんな柑橘類には、様々な栄養が含まれ、健康に嬉しい効果が期待できます。
以下では、柑橘類に含まれる注目の栄養素についてご紹介します。
豊富に含まれる「ビタミンC」
柑橘類に見られる明るい黄色やオレンジ色を「ビタミンカラー」と呼びますが、これは、柑橘類に「ビタミンC」が多く含まれることが由来になっています。
柑橘類に豊富に含まれるビタミンCは、肌を丈夫に保つコラーゲンの合成に欠かせない栄養素です。紫外線によるシミや、冬の乾燥から来るシワなどを防ぎ、美肌に導くだけでなく、血管や骨、筋肉を丈夫にする働きがあります。
また、赤血球を活性化させて免疫力を高めたり、鉄の吸収を助け貧血を予防する他、ストレスに強い体作りにも役立つ大切な栄養素です。
不足しがちな「食物繊維」を補える
柑橘系フルーツからは「食物繊維」を補うことが出来ます。
食物繊維は、糖質の吸収を緩やかにしたり、コレステロールの吸収を抑えるなどの働きがあり、肥満や生活習慣病対策としても有効です。
また、腸内を移動しながら不要物を絡め取り、腸をクリーンにする働きがあります。腸内環境の改善に役立ち、免疫力を高め、感染症予防や病気の予防に役立ちます。
食物繊維は不足しがちな栄養素であるため、積極的に補うことが大切です。
みかんなどの白い筋や袋の部分には特に食物繊維が豊富なので、苦手でない場合はそのまま食べるのがお勧めです。
体を温め代謝を高める「ヘスペリジン」
柑橘類の皮や袋、筋の部分には「ヘスペリジン」と言う成分が含まれています。
ヘスペリジンには毛細血管を柔らかくして血流を促す効果があり、体を温め代謝を高める働きや、生活習慣病予防効果が期待できます。また、花粉症や骨粗しょう症の予防にも有効とされています。
ヘスペリジンを活用する意味でも、柑橘類の皮は料理の風味として利用したり、みかんなどの白い筋や袋は取らずにそのまま食べるのがお勧めです。
強力な抗酸化作用を持つ「フラボノイド」
前述したヘスペリジンもそうですが、柑橘類には、植物に含まれる天然の化合物である「フラボノイド」(ポリフェノールの一種)が多く含まれています。
フラボノイドは、強力な抗酸化作用を持ち、エイジング対策に役立つ他、免疫システムを強化し、感染症や病気から体を守る効果があります。また、血管を拡張し、血流を改善する効果があり、代謝の向上や、心血管疾患のリスクの低減効果が期待できます。
「クエン酸」で疲労を軽減
柑橘類にはクエン酸が多く含まれています。クエン酸は、酸っぱさの元になっている成分で、疲労物質である乳酸を分解し、体の疲れを取る働きがあります。また、クエン酸にはカルシウムの吸収率を高める作用もあります。
脂肪燃焼効果が期待できる「シネフリン」
みかんに多く含まれている「シネフリン」言う酸味成分には、体脂肪を分解して脂肪を燃焼する効果があることが知られています。みかんなどの柑橘類は、ダイエット中のおやつとしてもぴったりです。
冬のむくみ対策に役立つ「カリウム」
柑橘類には、体内の過剰なナトリウムを体外へ排出する働きのある「カリウム」が含まれており、塩分の取り過ぎによるむくみや高血圧対策として役立ちます。
寒い季節は、体の冷えや、お鍋やスープによる塩分の取り過ぎで身体がむくみがちです。そんな時にも柑橘類はお勧めです。
ビタミンカラーでポジティブに
柑橘類特有のビタミンカラーは、見た目から精神に良い影響を与えることが知られています。例えば、黄色やオレンジは太陽や夏を思い出させる色で、見ているだけで元気になります。また、すだちやライムなどの明るい緑色も、自然や生命力を感じさせる色です。これらの色は、視覚的にポジティブな気分を引き出してくれます。
爽やかな香りでリラックス
柑橘類の皮を剥く際や、絞る際に、手に油のような液体が付くことがあります。あれは、皮の表面にあるブツブツした袋が潰れて出てくる「精油」によるものです。
精油成分の1つである「リモネン」は、柑橘類の香りの元となる成分で、香料としても使われており、精神をリラックスさせる効果があります。
また、精油には抗酸化作用もあり、健康に良い影響を与えることが知られています。
例えば、冬至にはゆず湯に入る風習がありますが、ゆずの香りや製油の成分は、心身をリラックスさせたり、肌を乾燥から予防する、体を温めて冷えを防ぐ、風邪予防など様々な効能が期待できます。
柑橘類を美味しく活用して冬を元気に
柑橘類は、栄養だけでなく、その見た目や香りからも、心身にポジティブな影響を与えてくれます。
そのままで食べておいしいだけでなく、皮をすりおろして料理の風味に加えたり、絞ってアクセントに加える。紅茶に入れる。お酢に漬け込んで酢みかんとして活用するなど、様々な楽しみ方ができる柑橘類。
寒さによる冷えや感染症が気になるこの時期、美味しく活用して、健康な毎日に役立ててみてはいかがでしょうか。