「最近、強い空腹感を感じたのはいつでしたか?」
ダイエットをした時?仕事で食べる時間がとれなかった時?
それとも、毎日食事の前には空腹感を感じているでしょうか。
この飽食の時代、食べ物はそこら中に溢れ、
いつでもどこでも24時間手に出来る状況にあります。
そんな状況下で、空腹感をあまり感じること無く
生活している方が実際には多いかも知れませんね…。
しかし、空腹になる時間を作ることは、
健康な体を維持する上で大切なことだったりもします。
適切に空腹時間を作ることで、生活習慣病の予防やダイエット、
アンチエイジングなど様々なメリットを得ることが出来るのです。
そこで今回は、
空腹によってもたらされる様々なメリットについてご紹介します。
空腹はただただひもじいものではありません。是非そのメリットを知り、
空腹を日々の食事のスパイスとして健康づくりに役立てましょう。
空腹がもたらす健康効果
日々の生活で適切に空腹時間を設ける事は、体に様々なメリットをもたらします。
期待できる効果や無理なく空腹時間を設けるコツなどを以下にご紹介します。
是非健康な毎日に役立ててみましょう。
細胞を修復し体を若返らせる
長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)をご存知でしょうか?
長寿遺伝子は、寿命や老化をコントロールする遺伝子です。
1999年に米国・マサチューセッツ工科大学の
レオナルド・ガレンテ教授により発見されたこの遺伝子は、
細胞を修復し体を若返らせる働きがある他、
体内の活性化酸素を抑制して老化を予防したり、
糖尿病や動脈硬化、認知症等、様々な病気を予防するなど、
美と健康に有益な効果をもたらすとされています。
この長寿遺伝子を活性化させるスイッチになるのが「空腹」です。
意識的に空腹状態を作り出すことで、長寿遺伝子の働きにより、
アンチエイジングや病気の予防など寿命を延ばす効果が期待できます。
また、胃からグレリン(成長ホルモンの一種)という成分が
分泌されることで人は空腹感を感じますが、
この成長ホルモンによって代謝が活性化されることでも、
アンチエイジング効果が期待できると考えられています。
脂肪が燃えダイエットに繋がる
空腹時に活動することは、脂肪燃焼の効果を上げダイエットにも役立ちます。
空腹時と言うのは体にエネルギーが枯渇した状態です。
血液中の糖(血糖)や肝臓に貯めてある糖エネルギー(グリコーゲン)が少なくなることで、
私たちはお腹が空いたと感じ食事を摂ります。
ではこの時に食事を摂らずに活動した場合はどうなるでしょう?
糖が枯渇すれば、備蓄していた体脂肪がエネルギーとして使われます。
空腹時の活動・運動は脂肪燃焼に効果的。
ダイエットを効果的に行うのに役立ちます。
免疫強化・病気の予防
適切に空腹時間を設け余分な脂肪が減ると、
内臓脂肪から分泌される悪玉アディポサイトカイン
(血圧や血糖値を上昇させる)が減り生活習慣病の予防に繋がります。
また、空腹は「オートファジー」と呼ばれる自食作用を促します。
これは、細胞内で古くなったタンパク質を再合成し、
新しいタンパク質を作り出すシステムのことで、
癌をはじめとする様々な病気の予防や老化防止、免疫向上に役立つとされています。
腸内環境の改善
腸をしっかり働かせるためにも、空腹時間を作る事はとても重要です。
なぜなら、腸のお掃除タイムと呼ばれる「強収縮」は空腹を感じる頃に始まるからです。
空腹になることが無い=普段食事を食べすぎている可能性があります。
食べ過ぎは肥満に直結する事はもちろん、胃や腸を疲弊させる原因に。
同時に、空腹時に起きる腸内のお掃除タイムの時間が取れず、
腐敗した食物が腸内に滞留して、腸内環境を悪化させる原因にもなります。
腸は免疫の要。腸内環境の悪化により免疫細胞に悪影響が及べば、
感染症やアレルギー、肌荒れなど様々な不調を引き起こしやすくなります。
その点、適度に食べて食事と食事の間にきちんと空腹時間が空けば、
胃や腸への負担も減り、消化吸収、排泄がスムーズに行われるようになります。
過重労働が減ったことで腸本来の働きが取り戻され、
腸の不調から起きる様々な悪影響が改善。
免疫の強化をはじめ、美肌、ダイエットなど多くのメリットが得られます。
空腹時間は適切に設けることが大事
この様に、空腹の時間を適切に作ることは、
美と健康において様々なメリットがあります。
ただし、空腹時間を作るといっても、ただただ食事を極端に減らしたり、
一食抜いてしまう、または断食をすれば良いという訳ではありません。
正しい生活週間の中で必要な栄養をしっかり補いつつ、
食事をコントロールしていくことが大切です。
空腹時間を無理なく作るコツ
空腹時間を無理なく作るコツとしては、食事量を腹7〜8分目と控えめにして、
無駄なカロリーや間食を控え、夜ご飯は早めに終えるのがポイントです。
例えば空腹でなくても、なんとなくいつもの習慣や口寂しさから、
おやつを間食として食べている方は多いと思います。
空腹状態で適切に間食を摂ることは、血糖値を安定させるなどメリットもありますが、
空腹でもないのに食べていた場合には、やはり間食は控えた方が良いでしょう。
また腸の為にも、ある程度空腹に近い状態で睡眠に入るのがベストです。
腸の健康維持の意味でも、また朝までに長い空腹時間を空ける意味でも、
夜遅い時間に食事を摂る事は控え、夕食は早めに済ませる様にしましょう。
または、どうしても夜ご飯が遅くなる場合には量を調節しましょう。
欠食や断食などで無理に空腹状態を作るのではなく、
この様に、食事のタイミングや一食一食の量を調節することで
適切に空腹時間を作るのがうまくいくコツです。
空腹のメリットに目を向け食事を見直してみよう
空腹状態が我慢できずにダイエットに挫折してしまう方は多いですよね。
「空腹はひもじいもの」「食べたいものを我慢するなんて辛い」と感じるのも当然かも知れません。
でも、「空腹は最高のスパイス」とも言うように、
空腹によって次の食事が楽しみになったり、
より美味しく感じられるのもまた事実ではないでしょうか。
食べ過ぎによって肥満や生活習慣病に陥る人が増えている今、
意識して空腹状態を作ることは、若さや健康を維持する上でとても大切なことです。
是非この機会に空腹のデメリットだけでなくメリットにも目を向け、
食事について今一度見直しを図ってみてはいかがでしょうか。