連日、記録的な猛暑が続いています。高温多湿の環境下で過ごすことが多い夏場は、身体への負担が多く、「栄養失調」になりやすい季節でもあります。
食事が十分でなく、やせ細ってしまう状態ばかりが栄養失調ではありません。1日3食食べてカロリーは十分でも、特定の栄養素が不足しているケースの「隠れ栄養失調」もあるのです。夏場の栄養失調は、免疫の低下や夏うつ等、心身のバランスを崩す最大の原因です。思わぬ体調不良を招かないよう十分な注意が必要です。
そこで今回は、
【夏の栄養失調を防ぐためのポイント】をご紹介します。
適切な健康管理によって健康を維持し、夏に気を付けたい栄養失調をしっかり予防しましょう。
不調の原因は栄養失調?
「十分睡眠を取っているのに、疲れが取れない」「集中力がない」「やる気が起きない」「憂鬱」「風邪をよくひく」「痩せにくく太りやすい」「肌や髪の毛の調子が悪い」この様な不調…それはもしかすると栄養失調が原因かも知れません。
栄養失調と聞くと、食事が不足し、やせ細った状態を想像するかも知れません。しかし、それだけが栄養失調ではありません。十分な食事を摂っているにも関わらず、タンパク質やビタミン、ミネラル、食物繊維など、健康に生きる上で重要な栄養素が不足しているケースもあります。
これを「新型栄養失調」(または質的栄養失調)と呼び、近年問題視されています。
夏の栄養失調を防ぐ為のポイント
特に高温多湿になる夏場は、水分と共にミネラルが失われやすく、この問題が顕著になります。
しっかり対策して、栄養不足からくる体調不良を防ぎましょう。
以下では、夏の栄養失調を防ぐ為のポイントをご紹介します。
1. 水分補給をこまめに行う
夏は暑さによって多量の汗をかくため、水分補給が欠かせません。特に暑い時期は塩分も適切に摂ることが大切です。水分不足は体内の水分バランスを崩し、栄養素の吸収や体の調子を乱す原因にもなります。こまめに水分を摂ることで、体温を調節し、熱中症や栄養失調を防ぐことができます。
2. バランスの取れた食事を摂る
栄養失調の最大の要因として、栄養バランスの偏りがあります。
夏は食欲が落ちる傾向があるため、簡単な食事で済ませてしまう人も多いのではないでしょうか。特に、おにぎりやパン、うどんやラーメン等、糖質単体のメニューで済ませている場合、栄養が偏りやすいので注意が必要です。
また、偏食や同じ食品の繰り返しの摂取、忙しさからくる不規則な食生活でも栄養バランスは容易に偏ってしまいます。
予防法としては、バランスの取れた食事を心がけ、特にビタミンやミネラルを意識的に摂取することが重要です。これらの栄養素は、さまざまな食品に含まれており、特に野菜や海藻類、果物、全粒穀物、肉や魚などに豊富です。多様な食品群から栄養を得ることで、新型栄養失調を防ぐことができます。
また、旬の食材を新鮮な状態で食べることもお勧めです。旬の食材には栄養が豊富ですので、今が旬の夏野菜やフルーツも積極的に摂り入れると良いでしょう。
高齢者や若い女性は、特に新型栄養失調に注意が必要で、タンパク質やカルシウム、鉄分などの不足が見られやすいため、これらの栄養素を意識して摂ることが推奨されています。不足しがちな栄養素はサプリメントを利用するのも効果的です。
3. 熱中症対策を徹底する
夏場は高温多湿のため、熱中症にも注意が必要です。熱中症になると体内での水分消失や栄養素の喪失が起こります。日中の直射日光を避けたり、室内を涼しく保つことで熱中症のリスクを軽減しましょう。
こまめな休憩や十分な睡眠も、熱中症予防には重要な対策です。
4. 適度な運動を行う
夏場は暑さによって運動が億劫に感じるかもしれませんが、適度な運動は健康維持に効果的です。適度な運動は代謝を促し、栄養素の吸収率を高めたり、食欲を促進させることで栄養摂取をサポートします。
しかし、外での運動は熱中症や栄養失調のリスクを増やすことがあるため、早朝や夕方等、涼しい時間帯を選んで取り組むことや、エアコンのある室内での運動を心がけましょう。
栄養失調を防ぎ過酷な夏を乗り切ろう
新型栄養失調は、見た目からは判断が付かない点が怖いところ。知らず知らず不調を悪化させることもある為、十分な警戒が必要です。
夏の栄養失調は、適切な栄養摂取や健康管理によって予防することができます。水分補給、バランスの取れた食事、熱中症対策、適度な運動を心がけ、過酷な夏を元気に乗り切りましょう。