コロナ禍によるマスク着用義務が解除されたことで、
”口腔ケア”に関連した商品を購入する人が増えているそうです。
脱マスクで、口臭や口周りの身だしなみを気にする人が増えた為ですが、
普段の口腔ケアは「歯ブラシ」だけと言う方は多いのではないでしょうか。
歯の汚れを落とすのに歯ブラシは重要ですが、
実はそれだけでは汚れは落としきれていません。
歯ブラシだけでなくデンタルフロスなどを併用し、
隠れた菌の住処にしっかりとアプローチすることが大切です。
そこで今回は、
【口腔ケアの重要性】について、
また、歯ブラシだけでなく
【フロスを使う必要性やそのメリット】についてご紹介します。
日々の口腔ケアは、虫歯や歯周病、口臭予防を始め、全身疾患を予防する上でも重要です。
消化器官のスタート地点、免疫の最前線でもある口の健康の重要性を理解し、
日々の口腔ケアを見直してみましょう。
口腔ケアの重要性を知ろう
口腔内には300から700種類もの細菌が存在し、良く歯を磨く人で1500億個、
あまり歯を磨かない人では1兆個もの細菌が生息するとされます。
細菌の中には、虫歯の原因となるミュータンス菌やカビの仲間であるカンジダ菌、
黄色ブドウ球菌、緑膿菌、インフルエンザ関連菌、
肺炎桿菌など、全身疾患の原因菌も含まれており、
免疫力の低下と共に増殖し、病気を引き起こす原因になることがあります。
また、口腔ケアを怠り、虫歯や歯周病によって歯が失われていくと、
咀嚼機能が低下します。十分な咀嚼ができないと、食事がおろそかになり、
必要な栄養素が不足して、体力の低下や認知機能の低下を招くこともあります。
健康な歯は、周りに与える印象、清潔感を左右する重要なパーツであるだけでなく、
健康的な食事を維持する上でも重要です。
生活の質の向上、様々な病気のリスクを減らすためにも、
口腔ケアをこまめに行い清潔を保つことが大切です。
歯ブラシのケアだけでは不十分
日々の口腔ケアとして歯ブラシだけを頑張っている人は多いと思います。
しかし、歯ブラシだけをどんなに頑張っても、歯の汚れを落とすのには限界があります。
歯ブラシだけでは歯と歯の間までは毛先が届かず、
虫歯や歯周病、口臭の原因となる歯垢がどうしても残ってしまうのです。
通常歯は28本、親知らず4本を含めると全部で32本あります。
それらが半円状に並んでいますが、
歯ブラシが届くのはその表面だけで約60%程度しか磨けていません。
残りの40%程は歯と歯の間になりますが、ここに歯垢が残り細菌の温床が出来てしまいます。
歯ブラシとデンタルフロスの併用を習慣付けよう
通常の歯ブラシだけでは歯垢を十分に落とすことが出来ません。
虫歯や歯周病の原因となる歯垢をしっかり取り除くために、
デンタルフロスの併用を習慣付けていくことが大切です。
デンタルフロスは、歯ブラシだけでは届きにくい歯と歯の間(歯間部)
の清掃に使うアイテムです。細い繊維を束ねて糸状にしたもので、
主に「糸まきタイプ」と「ホルダータイプ」の2種類があります。
タオルで背中を洗う様に、歯の側面を糸でゴシゴシ擦り取る様に使うことで、
歯間部の汚れを効率よく落とすことが出来ます。
デンタルフロス併用のメリット
歯ブラシだけでなく、デンタルフロスを利用すると次の様なメリットがあります。
虫歯や歯周病のリスクを減らす
デンタルフロスは、あくまで歯と歯の間を磨くためのアイテムですが、
歯ブラシだけでは約60%程度しか落とし切れない歯の汚れを
約80%以上除去することが可能になります。
歯ブラシと共にデンタルフロスを併用することで、
歯と歯の隙間に入り込んだ頑固な汚れを落とすことができ、
虫歯や歯周病のリスクを減らすことができます。
口臭を防ぐ
歯ブラシで落としきれなかった歯垢は、口臭の原因になります。
良く歯を磨いているのに口臭が気になる場合には、
歯と歯の間に歯垢が溜まっているのが原因かも知れません。
デンタルフロスで歯間部に詰まった汚れを取り除くことは、口臭対策にも繋がります。
虫歯や歯の不具合に気付きやすい
デンタルフロスを毎日使う様になると、手の感覚から、
虫歯ができた時の違和感や、被せ物の劣化などの不具合に気付きやすくなります。
デンタルフロスを使用した際に、糸が引っかかる、すぐに切れてしまう、
痛みが出る、ザラザラする場所がある、出血するなど、
これまでと違う変化を感じた場合には、虫歯や歯周病がある。
かぶせ物が合っていないなど不具合が出ている可能性があります。
歯の健康度をチェックできる点も、デンタルフロスを取り入れるメリットです。
歯医者さんでも勧められることの多いデンタルフロスですが、
面倒になり、歯磨きだけで済ませている人も多いのではないでしょうか。
デンタルフロスは、歯磨きではどうしても届かない歯間部の汚れ落としに欠かせないアイテムです。
日々の歯ブラシとセットで取り入れ、口腔内のグリーン化を習慣付けましょう。
歯ブラシとデンタルフロスの順番は?
歯ブラシとデンタルフロスを併用する場合、
先にデンタルフロスをして、歯間部の汚れを落としてからブラッシングする方が、
より効率的に汚れが落ちるとされます。ブラシが先か、フロスが先か、
悩む場合には、フロス→ブラシの順番でケアすると良いでしょう。
とは言え、大事な事は「続けること」です。
まずはご自分の取り入れやすいように初めてみて、
しっかり習慣付けすることを優先しましょう。
就寝前・就寝後の口腔ケアが重要
口腔ケアを行うタイミングとして、食後の歯磨きも大事になりますが、
特に就寝前、就寝後の歯磨きは念入りに行うことが重要です。
睡眠中は、ほとんど唾液が分泌されないため、
口腔内に細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
就寝後の口の中には便10グラム相当の細菌があるとされます。
できれば朝1番に磨き、夜は夜ご飯の後、もしくは就寝前に特に念入りなケアを心掛けましょう。
「食事をするたびに歯磨きをする時間がない」、「面倒くさい」、
「フロスをするのは大変」と言う方も多いかと思いますが、
夜寝る前くらいは時間が取れるのではないでしょうか。
就寝中の細菌繁殖を出来る限り防ぐためにも、
夜寝る前の歯磨きには、歯ブラシとフロスをセットで。
場合によっては歯間ブラシ(歯茎が下がり歯間部が広くなっている人など)、
舌みがき(舌の上も細菌が繁殖しやすい場所です)なども取り入れ、
特に念入りに行うことを心掛けましょう。
口腔内を清潔に保つことが全身の健康にも繋がる
虫歯や歯周病、口臭対策を始め、全身の健康を守るためにも、
日々の口腔ケアが重要になります。
日々蓄積される歯の汚れをしっかりと取り除き、
爽やかで綺麗な状態のお口をキープすることから、
健康な毎日に繋げて参りましょう。