ダイエットの危険な罠「脂肪肝」に注意しよう | ISDG 医食同源ドットコム [公式通販]
2023.08.23
ダイエットの危険な罠「脂肪肝」に注意しよう

脂肪肝とダイエットの関り

「脂肪肝」(しぼうかん)をご存知でしょうか?

脂肪肝とは…内臓の周りに脂肪が溜まる「内臓脂肪」とは異なり、 肝臓の細胞の中に脂肪が過剰に(30%以上)溜まった状態を言います。 「肝臓の肥満症」とも呼ばれ、食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足など、 間違った生活習慣が原因で起こる現代病の1つです。
脂肪肝を放置すると、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などを引き起こす危険が高まります。 また、肝炎から肝硬変、肝癌へ進むケースもあることから注意が必要です。

「肝臓の肥満症」と聞くと、太っている人や お酒を沢山飲む人がなるイメージを持つ方が多いと思います。 しかし、非肥満者(BMI25未満)でも、7〜20%の方で脂肪肝が認められるとの報告があり、 あまりお酒を飲まない人や痩せているにも関わらず、 健康診断で脂肪肝と診断されることもあります。
脂肪肝のリスクを高める原因の中には、「間違ったダイエット」も挙げられますので、 特に自己流でダイエットに励まれていた場合には、取り組み方に注意しましょう。

そこで今回は、「ダイエットの危険な落とし穴「脂肪肝」に注意しよう」と題し、 【ダイエットと脂肪肝との関り】についてご紹介します。

ダイエットをしてはリバウンドを繰り返している方、 急激なダイエットに取り組まれたことがある方など、 脂肪肝のリスクを高めない為にも、ダイエットと脂肪肝の関りについて理解を深めましょう。


肥満した肝臓が「脂肪肝」


「フォアグラ」はお好きでしょうか?
世界三大珍味の一つで、高級食材というイメージのあるフォアグラ。 脂の乗った濃厚な味で、その虜になってしまう方は多いですが… このフォアグラがどのようにして作られているかをご存知でしょうか。

フォアグラの「フォア(foie)」はフランス語で「肝臓」の意味、 「グラ(gras)」は「肥満した」という意味で、「肥満した肝臓」を意味します。 ガチョウやアヒルに餌を沢山与え、肝臓に脂肪を蓄積させて、あの濃厚なフォアグラになるのです。

これと同じで、私達人間の肝臓も同じように肥満します。 まさに脂の乗ったフォアグラ状態になってしまった肝臓が「脂肪肝」の状態です。


ダイエットと脂肪肝の関係


ダイエットイメージ

食べ過ぎや飲み過ぎ、アルコールや甘いものの過剰摂取などが、脂肪肝の主な原因になりますが、 ダイエットの取り組み方によっても脂肪肝になる危険があります。

これは「低栄養性脂肪肝」(ていえいようせいしぼうかん)、 別名:ダイエット脂肪肝とも呼ばれ、その名の通り、食事を極端に減らすことで、 必要な栄養が不足した結果引き起こされます。

まず、食事でタンパク質が不足すると、 中性脂肪を血液中に送り出すことができなくなり、肝臓に溜まっていってしまいます。 通常、肝臓に送られた脂肪はタンパク質と結びつき、エネルギーとして全身に送り出されます。 タンパク質不足になると、脂肪がそのまま溜まりやすくなるのです。

また極端な食事制限などで栄養が不足すると、体は生命の危機(飢餓状態である)と判断し、 生命維持に重要な機関である脳や内臓を働かせるために、 体中からエネルギー源をかき集めようと働きます。 無理なダイエットが長期化すると、肌や髪の毛のツヤが無くなったり、 爪が割れやすくなったりするのはこのためで、筋肉や脂肪、繁殖に関わる機能などの、 すぐには生命に関わらない機関を犠牲にして重要な機関を働かせるのです。 (無理なダイエットで生理が止まるのもこのため)

このとき筋肉は真っ先にエネルギー源として使われるため、 体重は減っても、脂肪の多い太りやすい体に変化することになります。 急激に痩せるとリバウンドしやすくなるのもこうした理由があるからです。 そして、それでもエネルギーが足りない場合には、肝臓自らが犠牲になり、 肝臓自体のタンパク質を分解してエネルギーを作り出します。 こうしたことが原因で脂肪肝になってしまうのです。

この様に、食べ過ぎ飲み過ぎ、運動不足など、太る生活習慣で脂肪肝のリスクが高まりますが、 一方で、極端な食事制限など、無理なダイエットをすることでも 「低栄養性脂肪肝」と呼ばれる脂肪肝になる場合があります。

脂肪肝にならない為にも、極端なダイエットに取り組まないことが大切。 また、極端なダイエットからリバウンドを繰り返す行為も、 肝臓にとって大きな負担となることから、ダイエットには十分注意して取り組みましょう。


間違ったダイエットで脂肪肝にならない為に


健康的な食事

肝臓に極力負担をかけず、安全にダイエットに取り組むためには、 極端な食事制限は今すぐやめるべきです。 「10日で5キロ」等の無謀な目標は設けず、ゆっくりマイペースに行いましょう。

食事は、糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの必要な栄養素を過不足なく補うこと。 3食バランス良く食べることを心掛け、少しずつ体重を落としていくこと。 またリバウンドを繰り返さないよう、健康的な生活習慣をしっかり継続していくことが大切です。

もちろん、肝臓に負担をかけるアルコールの摂取はほどほどに、 そしてウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動を取り入れることや、 代謝の維持に欠かせない、筋肉を付ける為の筋トレも並行するとより効果的です。 適度な運動は脂肪肝の予防に繋がる為、無理のない範囲で取り組みましょう。

この様なダイエットが、内臓にも負担の少ない健康的なダイエットと言えます。 脂肪肝を予防する為にも、ダイエットには安全に無理なく取り組んで行きましょう。


脂肪肝は自覚症状がないから怖い


肝臓は沈黙の臓器と称されるように、痛みなどの自覚症状が出ません。 脂肪肝から肝機能の低下や病気を進行させない為にも、 日々の生活を正し、予防して行くことが大切です。

多くの方が、美と健康のために毎日涙ぐましい努力をされていますが、 いくら目標体重を早く達成しても、いくら沢山体重を減らしても、 それと共に健康を失ってしまえばダイエット成功とは言えません。

痩せて幸せになるために行ったダイエットで不幸になることのないよう、 無理なく健康的な範囲でダイエットには取り組みましょう。