海の宝石
「シラス」が旬を迎えています。
シラスの旬は主に、春(3月から5月頃)と秋(9月から11月頃)の2回です。
この時期になると、水温や漁獲量のバランスが最適となり、
美味しさと栄養価が最も高まります。
旬のシラスは、鮮度がよく、風味豊かな特徴を持っています。
美味しく食べて旬の健康パワーを取り入れたいですね。
そこで今回は、美容と健康に嬉しい旬の食材である「シラス」についてご紹介します。
シラスは、小さな魚でありながら、その栄養価の高さから注目を浴びています。
注目の栄養素や、オススメの食べ方等、シラスの魅力について見てみましょう。
シラスはどんな魚?
シラスがそもそもどんな魚か?ご存知でない方も多いのではないでしょうか。
実はシラスは、カタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシ等の稚魚のことです。
体に色素が乏しく、白っぽい稚魚を総称してシラスと呼びます。
シラスは商品の製法によって呼び方が変わってきます。
生のものを「生シラス」、塩水で短時間茹でたものを「釜揚げシラス」、
茹でた後に干したものを「シラス干し」、
さらに乾燥度合いを高めたものを「ちりめんじゃこ」、
シラスを板状にしたものが「たたみいわし」です。
シラスは栄養の宝庫
頭から尻尾まで魚をまるまる食べられるシラスは、栄養の宝庫です。
具体的にどんな栄養が含まれているのか、また期待できる効果や効能などを以下にご紹介します。
タンパク質
シラスには、三大栄養素の一つであるタンパク質が豊富に含まれています。
タンパク質は筋肉をはじめ、肌や髪、爪、内臓など、体を作る重要な栄養素です。
美容と健康に欠かせない栄養素であり、毎日の食事でしっかり補う必要があります。
特にシラスには、コラーゲン同士を結びつける働きを持つ
繊維状のたんぱく質である「エラスチン」や、
必須アミノ酸の「メチオニン」という成分を含み、
肌の弾力を保ち、シワやたるみの改善に役立つとされます。
さらに、髪の健康や成長を促進し、健康な髪を保つことができます。
筋肉の維持強化はもちろん、美容を意識する方も摂取したい栄養素です。
カルシウム
シラスは骨ごと食べられるので、カルシウムを豊富に含みます。
カルシウムは、骨や歯の材料となるほか、筋肉の収縮を円滑にしたり、
精神を安定させて、イライラや鬱を解消する働きもあります。
シラスには生魚の約4倍ものカルシウムが含まれるので、
不足しがちな人は積極的に取り入れたい食品です。
マグネシウム
シラスには、マグネシウムも豊富に含まれています。
マグネシウムには、カルシウムの吸収率を高める働きがあります。
マグネシウムは、骨や歯にカルシウムが行き渡るよう調節する働きを持ち、
体内のカルシウムとのバランスを保つことで、丈夫な骨や歯を守ります。
シラスは、カルシウムとマグネシウムをどちらも含んでいるので、
効率よく摂取することが可能です。
ビタミンD
シラスには、ビタミンDも豊富に含まれています。
ビタミンDには、カルシウムの吸収を促す働きがある為、
より一層、骨や歯を丈夫にする効果が期待できます。
免疫力を高める効果もあるため、健康な体を維持するのに役立ちます。
不足すると歯を弱くし、虫歯になりやすくなったり、
骨をもろくして骨粗しょう症のリスクを高める原因にもなる為、
日々の生活でしっかりと補うことが大切です。
ビタミンDは脂溶性のビタミンのため、
脂質を含むものと合わせて摂ると吸収が良くなります。
カルシウムは不足しやすい栄養素である上に吸収されにくい性質を持ちます。
より効率よくカルシウムを吸収させるためにも、
ビタミンDと脂質は合わせて摂ることを意識すると良いでしょう。
DHA・EPA
シラスには、青魚に豊富に含まれる有効成分である、
EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれています。
DHAやEPAは、血液や血管、心臓や脳の健康に
良い影響を与えることが明らかになっています。
他にもシラスには、鉄や亜鉛、ビタミンB12等多くの栄養が含まれ、大変優秀な食材です。
シラスのオススメの食べ方・食べ合わせ
油分が少なくあっさりとした味わいがシラスの特徴。
その為、シラスは様々な料理に活用することが出来ます。
あっさり味で様々な料理に活用できる
ご飯のお供にそのまま食べたり、おにぎりの具にする、
大根おろしと和えるなどシンプルな食べ方から、
卵焼きに入れたり、チャーハンに入れる、
パスタやピザ、サラダのトッピングとしても楽しむことができます。
また、しらすを炊き込みご飯に加えることで、
ふんわりとした風味を楽しむこともできますよ。
お勧めの食べ合わせ
中でも、お勧めの食べ合わせとしては…
カルシウムが豊富なチンゲン菜やレタス等と合わせて食べると、
シラスのビタミンDがカルシウムの吸収をサポートしてくれます。
炒め物にすれば、油でビタミンDの吸収効率も上がり、効果的に栄養を摂取できます。
また、お酢やレモン、梅干しなどに含まれる「クエン酸」には
カルシウムの吸収を高める働きがある為、これらを合わせるのもお勧めです。
シラスはご飯にのせるだけでも十分美味しく味わうことが出来ますが、
他の栄養素と上手に組み合わせて摂ることで、
相乗効果で更なる効果が期待できます。
様々な食べ方ができる特徴を生かして、色々な料理に活用してみましょう。
塩分の摂り過ぎには気を付けよう
ただし、塩茹でしている分塩分は高めですので、食べ過ぎには注意が必要です。
塩分を控えたい場合には、調味料を控えて、シラスの塩分を生かした味付けにしたり、
一度茹でて塩抜きすると、塩分量を減らすことができます。
小さくても大きなパワー「シラス」を健康な食卓に
シラスは栄養の宝庫。小さな身体に、美と健康に役立つ大きなパワーが詰まっています。
それありながら、調理も簡単で様々な料理に活用できます。
是非旬のシラスを日々の食生活に取り入れて、
美味しく健康に役立ててみてはいかがでしょうか。