梅雨の季節である6月は、湿度が高くなることから
「食中毒」が発生しやすい時期です。
特に”細菌”による食中毒が多く見られ、その予防には特に注意が必要です。
食中毒を引き起こす細菌には、黄色ブドウ球菌、カンピロバクター、
ウェルシュ菌、腸炎ビブリオ菌、サルモネラ菌などがあります。
これらは気温が25℃以上、湿度70%以上で増えやすいとされていることから、
食品の適切な管理と調理を心掛けることがとても大切です。
そこで今回は、
【高温多湿になる6月に意識すべき、
食中毒対策のポイント】をご紹介します。
本格的に暑くなる夏場は食品の取り扱いにも慎重になりますが、
梅雨時期はまだまだ警戒が甘く油断しがちです。
思わぬ体調不良を招かないよう、今からしっかり対策して食中毒を予防しましょう。
食中毒対策のポイント
食中毒予防の基本の3原則は、「つけない」「増やさない」「やっつける」です。
これには手洗い、食材の低温保管、加熱処理、調理器具の殺菌などが含まれます。
是非以下を参考に、梅雨から夏場に増える食中毒を対策しましょう。
1.手洗いの徹底
食品を扱う前後の手洗いは、細菌の付着を防ぐ最も基本的な方法です。
石鹸やハンドソープを使い必ず手を洗うようにしましょう。
調理の前はもちろん、調理中に生肉、魚介類、卵を触ったときや、
トイレに行った後、鼻をかんだ後も必ず手洗いをすることが推奨されます。
手や指に傷がある場合は、そこに黄色ブドウ球菌が多く付いている可能性があるため、
調理用手袋などで手を覆うことが望ましいです。
2.生鮮食品の取り扱い
高温多湿になる梅雨から夏の時期には、特に生肉や生魚、
卵、乳製品などの食品を扱う際に注意が必要です。
これらの食品は、適切な温度で保存されていないと、
食中毒を引き起こす微生物が増殖しやすくなります。
肉や魚などの生鮮食品の購入時には消費期限を確認し、新鮮なものを選ぶこと、
肉や魚などは汁が他の食品に付かないようにビニール袋に入れること、
購入後は速やかに冷蔵庫や冷凍庫に入れることが重要です。
また、野菜や果物は流水でよく洗い、水気を切ってから使用します。
一方で、肉は食中毒菌が飛び散る恐れがあるため、
洗わずに加熱することが推奨されています。
3.調理器具の洗浄・消毒
生肉や生魚を扱った後は、菌が手指や調理器具に残って
他の食材に付着することがないように注意が必要です。
まな板や包丁、触れた手などをしっかり洗浄・消毒するようにしましょう。
4.しっかり加熱する
安全な調理法とは、食品を適切な温度で十分に加熱し、
食中毒を引き起こす可能性のある微生物を死滅させることです。
特に、肉や魚、卵などの生食品は中までしっかりと加熱するようにしましょう。
加熱は食中毒菌を死滅させる有効な手段です。
しかし、中途半端な加熱は逆に微生物の増殖を助けることもある為、
しっかり加熱することが大切です。
中心部の温度が75℃で1分以上の加熱を心掛けましょう。
5.お弁当の管理
お弁当を作る際には、加熱した食品はしっかりと冷ましてから詰め、
水分の多い食品は水気を切るか、なるべく入れないようにします。
また、保冷剤や保冷バッグを利用して、
食品が温まりすぎないようにすることも大切です。
お弁当に入れると抗菌作用が期待できる食材として、
梅干しや生姜、酢などがあります。
これらは自然な保存効果があり、お弁当を新鮮に保つのに役立ちます。
6.食べ残した食品の管理
食べ残した食品はすぐに冷蔵保存し、
再加熱する際は十分に加熱することが重要です。
良く挙げられる「食中毒に要注意の食べ物」に、2日目のカレーがあります。
カレーやシチューなどの煮込み料理は、一度に大量に作って、
2日3日続けて食べることも多いですよね。
時間が経った方が味に深みが出て美味しく感じると思いますが、
酸素の少ない場所で活性化する「ウェルシュ菌」が増殖しやすく、
食中毒になる危険が増すことから注意が必要です。
ウェルシュ菌による食中毒を防ぐためには、適切に保存し再加熱することが重要です。
調理後は速やかに冷蔵庫で冷やすようにしましょう。
また、食べる際には、中心部までしっかり加熱してウェルシュ菌の増殖を防ぎましょう。
小分けにして保存し、食べる前には鍋で十分に加熱することがポイントです。
7.賞味期限や消費期限を守る
食材の賞味期限や消費期限を守ることも、食中毒予防には欠かせません。
期限が近いものや過ぎているものは避けるようにしましょう。
食品を選ぶ際には、新鮮さと衛生状態を確認することが大切です。
肉や魚、卵などの生食品は、特に注意深く選びましょう。
食品の包装が破損していないか、腐敗によるガスの影響で膨らんでいないかもチェックしましょう。
8.ピクニックやバーベキューでの注意点
屋外での食事も注意が必要で、ピクニックやバーベキューなど
屋外で食事をする際には、クーラーボックスなどを使用して食品を冷やし、
食べる直前まで冷蔵状態を保つのが望ましいです。
気温が25度を超えると食中毒が増えると言われていますが、
天気予報で伝えられている気温は、芝生の上で
日差しが当たらないようにして計られているものであり、
実際にはそのような環境とは限らないため、
屋外では、日差しや照り返しなどの影響を受けて
温度が高くなることがあるので注意が必要です。
9.普段から体の抵抗力を高めておく
梅雨の時期は蒸し暑さで疲労が蓄積しやすく、
夏の時期は熱中症や夏バテ予防などの体調管理が重要です。
バランスの良い食事をとり、食中毒に気をつけながら体の抵抗力を高めましょう。
10.食中毒の症状が現れた場合は
食中毒の症状が現れた場合は、市販の下痢止めなどの薬を安易に服用せず、
早めに医師の診断を受けることが重要です。
食品衛生に気を配り食中毒を予防しよう
6月は気温が上昇し、湿度も高くなるため、食中毒のリスクが高まる時期です。
それでも、食品の管理や調理法などに気を付けることで、
食中毒のリスクを大幅に減らすことができます。
日頃から食品衛生に十分気を配り、暑い時期も元気に過ごしましょう。