春の訪れと共に土の中からこんもりと顔を出す
「タケノコ」。
シャクシャクとした歯応えのある食感と爽やかな香りが特徴のタケノコは、
3月から5月にかけて、春から初夏にかけての今がまさに旬の時期となります。
炊き込みご飯にてんぷら、煮物にサラダに炒め物など、
様々な料理で食すことが出来る馴染み深い食材。
春の風物詩であるタケノコには、腸の健康や疲労対策など、
季節の変わり目を元気に乗り切る為の栄養がたっぷり。
日々の食事に活用して、生命力溢れる春の恵みにあやかりたいものです。
今回は、春の味覚の王者と言われる
【タケノコの栄養】、
そして
【タケノコのおすすめの食べ合わせ】等についてご紹介します。
是非、タケノコ料理で春を美味しく味わいつつ、
季節の変わり目の滋養に役立てましょう。
タケノコの代表的な栄養と注目すべき効果
タケノコは100g当たり26キロカロリーと、とても低カロリー。
タンパク質も含まれている為、筋力アップやダイエットにもぴったりの食材です。
また食物繊維やアミノ酸の効果で、春先の体調を整えてくれることが期待できます。
以下では、そんなタケノコに含まれる注目の栄養や、
期待できる効果についてご紹介します。
食物繊維
シャクシャクとした歯ごたえからも想像できる様に、
タケノコには食物繊維が大変豊富に含まれています。
食物繊維は腸内環境を整えたり、食事で摂った糖や脂肪の吸収を緩やかにして、
肥満や糖尿病などの生活習慣病の予防に役立つなど、
私達が健康に生きる為に重要な働きをする栄養素です。
中でもタケノコに含まれるのは、セルロースと言う水に溶けにくい「不溶性食物繊維」です。
不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収して便のカサを増やし、
腸壁を刺激して便通を促す効果があります。
腸内環境の改善に役立ち、美肌やダイエット、免疫の強化に役立ちます。
タンパク質
肉や魚に含まれるイメージのあるタンパク質ですが、
意外なことに、野菜であるタケノコにも含まれています。
タンパク質は、糖質、脂質と並ぶ「3大栄養素」の一つで、
健康な体を維持する上で欠かせない重要な栄養素です。
肉や魚ほど多くは含まれていないものの、生のたけのこには
100g当たり3.6gのタンパク質が含まれており、
筋力アップやダイエットにも役立つ嬉しい食材です。
チロシン
茹でたタケノコの節に見られる白い結晶は「チロシン」と言う栄養素です。
チロシンはアミノ酸の一種で、タケノコを代表とするうまみ成分の一つです。
ドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質の原料となり、
積極的に補うことで、ストレスの緩和に繋がったり、
集中力・やる気を高めるなどの効果が期待できます。
また、チロシンは皮膚や髪の毛の色素となるメラニンの原料にもなり、
皮膚を紫外線から守ったり、綺麗な黒髪を維持するのにも役立ちます。
アスパラギン酸
タケノコには、アミノ酸の一種でうまみ成分となる「アスパラギン酸」が含まれています。
アスパラギン酸は疲労に対する抵抗力を高め、スタミナをつけるのに役立ちます。
新生活が始まる春は心身ともに疲労が溜まりやすい時期。
そんな春先の疲労対策にタケノコは役立ちます。
カリウム
タケノコには、体内の余分な水分を排出してくれるカリウムも豊富です。
冬の間に溜め込んだむくみを対策したり、高血圧予防としても役立ちます。
ビタミン
タケノコには、少量ながら様々な種類のビタミンが含まれています。
糖質の代謝に欠かせない栄養素で、疲労回復効果のある「ビタミンB1」や、
脂質とタンパク質の分解に欠かせない栄養素で、
健康な肌や髪を保つ働きをする「ビタミンB2」。
抗酸化作用でアンチエイジングや病気の予防に役立つ「ビタミンE」、
美肌を作るビタミンとしておなじみの「ビタミンC」等、
美と健康に役立つビタミン類を補うことが出来ます。
これ以外にも、亜鉛、マンガン、葉酸など、
タケノコには様々な栄養素が含まれ、健康な毎日に役立ちます。
タケノコを食べる際の注意点
様々な栄養素を含むタケノコですが、食べる際には注意しなければいけない点もあります。
基本的にはアク抜きが必要
タケノコはアクの強い野菜でもあります。
タケノコのアクの原因物質は主に「シュウ酸」と「ホモゲンチジン酸」です。
こうした成分を摂りすぎると肌荒れに繋がったり、
アレルギーに似た症状を引き起こす可能性もあることから、
採れたてをすぐに食べる場合でなければ、
(アクは収穫してから時間が経つほど増えます。)
タケノコはしっかりとアク抜きしたものを食べるようにしましょう。
不溶性食物繊維の摂り過ぎによる弊害
また、タケノコには不溶性食物繊維が豊富ですが、
不溶性食物繊維は腸の働きを活発にして、便秘解消に効果的である反面、
人によっては不溶性食物繊維の摂り過ぎが逆に腸を詰まらせて、
腸内環境を悪化させてしまうケースもあります。
またはその逆で、不溶性食物繊維を大量に摂ることで、
腸の働きが活発になり過ぎてお腹を下す場合も…。
加えて、食物繊維は消化が悪い為、胸やけや腹痛などの症状が出る場合もある為、
この様なリスクを負わない為にも、一度に食べ過ぎることなく、
腸の調子や体調を見ながら適切に食べることを心掛けましょう。
タケノコのおすすめの食べ合わせ
タケノコは他の食材と組み合わせて食べることで、
栄養の相乗効果でより健康への効果を高めることが出来ます。
例えば、ワカメに多く含まれる食物繊維(アルギン酸)と組み合わせることで、
タケノコの食物繊維である(セルロースが)効果的に働き、
腸内環境を整えてくれる効果を倍増させてくれます。
タケノコとワカメを合わせたサラダや酢の物などで頂くとお勧めです。
また、タケノコはカルシウムが含まれる食品と合わせて食べるのもお勧めです。
タケノコのアクの成分であるシュウ酸は結石の原因になります。
このシュウ酸はカルシウムと結合することで、
不溶性のシュウ酸カルシウムに変化し、
えぐ味を感じにくくして結石になるのを防ぎます。
例えば、厚揚げや海藻類にはカルシウムが多く含まれているので、
こうした具材と一緒に煮物にして食べるとお勧めです。
他にも、タケノコ料理の定番であるタケノコご飯も、お勧めの食べ合わせです。
タケノコに豊富な食物繊維が、ご飯に含まれる糖質の吸収を緩やかにし、
脂肪の蓄積を予防してくれる他、
タケノコに含まれるチロシンは糖と一緒に摂ることで効果が高まることから、
より一層のストレス緩和や、やる気の維持に効果を発揮することが期待できます。
この様に、タケノコは他の食材と一緒に食べることで、
より一層の健康効果が期待できます。
是非、様々な料理にタケノコを活用して相乗効果を狙ってみましょう。
美味しいタケノコは栄養面でも魅力たっぷり
春の味覚のタケノコは、美味しいだけじゃなく栄養面でも魅力がたっぷりです。
タケノコの風味を最大限に味わう刺身タケノコから、サラダや煮物、
タケノコご飯に天ぷら等など…調理法を選ばず、
毎日の食卓においしく取り入れられるタケノコは食卓の強い味方ですね。
是非、春ならではのおいしさを食事に取り入れ、
心身ともに不調の起こりやすい季節の変わり目の健康に
役立ててみてはいかがでしょうか。