12月13日は「ビタミンの日」です。
ビタミンの日は、1910年12月13日に、東京帝国大学教授の鈴木梅太郎博士が、
米糠から「オリザニン」(後のビタミンB1)を抽出し、
始めて学会に発表したことにちなみ制定された記念日です。
ビタミンは、5大栄養素に数えられるほど重要な栄養素で、
人間が身体の機能を正常に保つために欠かせないものです。
しかしながら、「ビタミン」と言う言葉は良く耳にしているものの、
具体的にビタミンにはどの様な種類があり、不足するとどうなるのか?
その詳しい働きについて、あまりご存じでない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、健康に生きていくために欠かせない栄養素、
【ビタミンの種類や働き】についてご紹介します。
ビタミン不足は美容と健康の大敵です。
その種類や働きを理解して、今後の健康づくりに役立てましょう。
ビタミンとはなにか?
ビタミンとは…体の機能を調節したり維持するのに欠かせない微量栄養素のことを言います。
(微量栄養素:微量ながらも必要な栄養素)
三大栄養素である、糖質、脂質、たんぱく質などと同様、
人間が生きていくうえで必要不可欠な栄養素の一つです。
体内で必要量を合成することができないため、食品から摂る必要があり、
不足すると欠乏症となり様々な悪影響を引き起こします。
現在その種類は13種類。大きく分けて、水に溶ける【水溶性ビタミン】と、
水に溶けず油に溶ける【脂溶性ビタミン】とに分けられ、それぞれ以下の様な特徴があります。
【水溶性ビタミン】
水に溶けやすいビタミンの総称。
体内に溜めておくことが出来ず尿などで排出される為、こまめな摂取が大切です。
水に溶けやすい性質上、調理法は煮物よりも炒め物や蒸し物がお勧めとなります。
≪ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、
ビタミンC、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの9種類≫
【脂溶性ビタミン】
水に溶けにくく油に溶けやすいビタミンの総称。
水溶性ビタミンと違って体から排出されにくいため、
摂り過ぎると過剰症になることもあります。
油と一緒に摂ると吸収率が上がる為、油を使った調理がお勧めです。
≪ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKの4種類≫
ビタミンの働き
ビタミンは、種類によって体の中での働きが異なります。
代表的なものをピックアップしてご紹介しますので、健康との関わりを見てみましょう。
ビタミンB群
糖質、脂質、タンパク質の3大栄養素の代謝に関わり、
エネルギー生産に不可欠であるビタミンです。
冬場は体温を上げるために多くのエネルギーが必要になります。
その為、ビタミンB群は、冬場に大量に消費され不足しがちになる場合があります。
冬型栄養失調により様々な不調を招かないよう、特に寒い時期は積極的に補うことが大切です。
例えば、ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるのに欠かせないビタミンです。
米や小麦を主食とする私たち日本人にとって、とても重要な栄養素になります。
不足すると糖質の代謝がうまく行われず、脳や神経系に悪影響を及ぼします。
症状としては、疲れやすくなる、集中力がなくなる、イライラする、食欲不振、
手足のしびれ、体が冷えやすくなるなどの悪影響が出やすくなります。
皮膚や粘膜、髪の健康維持に欠かせないビタミンB2が不足すれば、
肌荒れや口内炎、抜け毛や髪のぱさつきなどが引き起こされやすくなります。
他にも、タンパク質の分解に働き、皮膚病を防ぐ、抗アレルギー効果を持つビタミンB6。
葉酸と協力して赤血球を構成したり、神経系の働きを正常に保つ働きを持つビタミンB12等。
どれも重要な栄養素です。体調を整えるためにもしっかりと補いましょう。
食品では、豚肉・牛肉・レバー・カツオ・マグロ・うなぎ・豆腐・そば・玄米などに豊富です。
水溶性で水に溶けやすい特徴があるため、鍋などの汁ごと食べられる調理や、
焼く、蒸すなどの水を使わない調理法で食べるのがオススメです。
ビタミンC
コラーゲンの合成に必要な成分で、血管や皮膚の強化に欠かせない栄養素です。
また、抗酸化作用や抗ストレス作用もあり、心身の健康に役立っています。
不足するとコラーゲンが不足し、肌のハリが失われて老化が加速する。
血管がもろくなり、皮膚や歯茎から出血する壊血病(かいけつびょう:ビタミンC欠乏症)を起こす他、
免疫力の低下から感染症にかかりやすくなるなど、様々な悪影響を及ぼします。
ビタミンCは体内で作ることができません。また体内に貯めておくこともできないため、
効果を持続させるためには、毎食の食事からこまめに摂り入れる必要があります。
食品では、赤ピーマン、黄ピーマン、芽キャベツ、菜の花、レモンなどに豊富で、
多くの野菜や果物から摂取することが出来ますが、
ビタミンCは水溶性ビタミンの中でも特にデリケートな性質を持っているため、
調理法には注意を払う必要があります。
熱に弱いうえ、洗ったり切る事はもちろん、放置しておくだけでもビタミンCは失われてしまいます。
そのため、野菜や果物は新鮮なうちに、手早く調理して食べる様に心がけましょう。
その点で言えば、ジャガイモやサツマイモはオススメです。
これらのビタミンC含有量はそれほど多くはありませんが、
茹でても中に含まれているデンプン質がビタミンCを保護し守ってくれるため、
調理による損失が少なく済みます。
ビタミンD
骨や歯の形成に欠かせないビタミンで、体内のカルシウム濃度を調節する働きをしています。
骨の栄養と言えば、真っ先に「カルシウム」が思い浮かぶと思いますが、
カルシウムが十分に取れていても、ビタミンDがなければ吸収も利用することもできません。
丈夫な骨作りに欠かせない栄養素である為、意識して取りたいビタミンとなります。
不足すると骨がもろくなり、骨粗鬆症から骨折のリスクが上がる、
子供の場合は、くる病や成長障害が起こる恐れもあります。
ビタミンDは食事からの摂取、または皮膚での紫外線による合成によって体内につくられます。
あまり日光に当たらない生活をしていると不足しやすくなるため、
食品からの摂取と共に、適切な日光浴を心がけることも大切です。
食品では、きくらげ、干し椎茸、シラス干し、鮭、にしん、イワシ、サンマなどに豊富です。
特に動物性食品は吸収が良いため、魚から取り入れると効率よく摂取することができます。
葉酸
葉酸は赤血球の材料になる栄養素です。
「造血ビタミン」と呼ばれ、ビタミンB12と協力しあって血液を作ります。
貧血対策に役立つほか、神経系を安定させ憂鬱な気持ちを和らげる効果もあります。
冬場の寒冷刺激によるストレスで少なくなることから、不足させない様にしましょう。
食品では、レバー・モロヘイヤ・ほうれん草・アスパラガス・
春菊・枝豆・とうもろこし・いちごなどに含まれます。
葉酸やナイアシンの様に、「ビタミン○○」と呼び方をされないビタミンもあります。
ビタミンは発見された順にアルファベットや番号が振られますが、
それと共に科学名も付けられています。科学名の方が有名になり、
そのまま呼ばれるようになったのが葉酸やナイアシン等のビタミンです。
微量で小さいながらも大きなパワーを持つビタミン
ここでは4つのビタミンをピックアップしてご紹介しましたが、
この様に、ビタミンはビタミンでも種類によってその特徴や働きは様々です。
13種類、微量で小さいながらも、それぞれに大きな役割を担っている為、
不足させない様、毎日の食事からあらゆる食材を意識的に摂り、
ビタミンを積極的に補いましょう。
また、食生活の乱れやタバコ、飲酒の習慣、ストレス過多、激しい運動などの影響から、
潜在的にビタミン不足になっている人も多いと言われます。
もし心当たりがあれば、心身の不調がビタミン不足から来ていないか、
一度この機会に自身の食生活について見直してみてはいかがでしょうか。