シャキシャキ、ねばとろ、様々な食感を楽しめる
「山芋」が旬を迎えています。
山芋の旬は11月から1月です。
貯蔵性が高くスーパーでは通年出回っているお馴染みの野菜ですが、
旬の時期は値段もお手頃な場合が多い為、ぜひこの時期食卓に活用して、
山芋のネバネバパワーを健康に役立てましょう。
今回は、
【山芋に含まれる優れた栄養や効能、
栄養を最大限活用するお勧めの食べ方】についてご紹介します。
山芋は胃腸が弱っている時や疲れた時にオススメの野菜です。
忘年会シーズン、飲食の機会が増え胃がお疲れがちなこの時期に活用し、
寒い冬の元気な毎日に役立てましょう。
山芋の栄養
栄養価が高く、滋養強壮に富んでいることから「山うなぎ」とも呼ばれる山芋。
山芋を食べることで、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。
代表的な栄養や期待できる効能をご紹介します。
酵素の力で消化吸収を助ける
山芋には、アミラーゼ、カタラーゼ、ジアスターゼなどの酵素が多く含まれています。
こうした酵素の働きにより新陳代謝を活発にし、胃腸の働きを助け、滋養強壮に役立ちます。
特に山芋は、擦り下ろすとデンプンを分解する酵素であるジアスターゼが働き、
デンプンの消化を促します。とろろかけご飯や山かけうどんなど、
炭水化物と一緒に摂ることで、デンプン質を効率よくエネルギーに変えることが出来、
疲労回復やスタミナアップに効果的です。
また山芋のネバネバ成分である糖たんぱくのムチレージには、
胃の粘膜を保護する働きがあります。
ストレスや暴飲暴食などで弱った胃を保護し修復を助けてくれます。
抗酸化作用で老化対策
山芋には強力な抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれています。
活性酸素の害によって細胞が錆び付くのを防ぎ、老化対策や肌を若く保つのに役立ちます。
特に皮付近の茶色い部分に多く含まれている為、山芋は皮ごと食べるのがお勧めです。
水溶性食物繊維の働きで腸内環境が整う
食物繊維には、「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊」維の2種類がありますが、
山芋には水に溶ける性質を持つ「水溶性食物繊」が豊富です。
水溶性食物繊維は腸内でゲル状となり、排泄をスムーズにする効果があります。
善玉菌の餌となり、腸内環境を良好な状態に導いてくれます。
また血糖値の上昇を緩やかにする働きや、
血中コレステロール値を下げる効果もあり、生活習慣病対策としてもお勧めです。
カリウムでむくみ・高血圧対策
体内の余分な水分やナトリウムを排出する働きがある、
「カリウム」も山芋には含まれています。
寒い時期、血行不良によって起こるむくみの予防改善、
高血圧対策としても役立ちます。
ビタミンB群で疲労ケア
山芋には、エネルギー代謝に関わる栄養素であるビタミンB群が含まれています。
中でも糖質をエネルギーに変える働きをするビタミンB1が豊富。
スタミナアップや疲労対策としても役立ちます。
山芋には、胃腸を労わる働きやスタミナアップ、血糖コントロールなど、
体を健康に導く様々な効果が期待できます。
ただ、山芋には食べる際、調理の際に注意すべきポイントがあります。
優れた栄養を効率よく摂取する為にも以下のポイントを意識してみましょう。
山芋のお勧めの食べ方・調理のポイント
長芋に含まれる消化酵素は熱に弱いため、酵素パワーを最大限に活用するには、
サラダやとろろなどで加熱せず生で食べるのがお勧めです。
皮が黒く変色してしまっている部分は取り除くべきですが、
長芋の皮は基本的に食べることが可能です。
ヒゲが気になる部分は、コンロでさっと火にかざして落とし、水洗いしてから使用しましょう。
皮にはポリフェノールやβカロテンが豊富で、栄養価を余すことなく摂取できる上、
山芋の風味が増し味わい深くなります。また皮を剥くとぬるぬるして調理がしにくいですが、
皮のままだと擦り下ろす際にも滑らず調理が楽になります。
栄養も摂れて手間も減り、一石二鳥ですね。
長芋を調理する際に手が痒くなることがあります。
これは長芋に含まれるシュウ酸カルシウムが原因です。
シュウ酸カルシウムの結晶が皮膚に付着した際に、
毛穴の中に入り込んで肌を刺激することで起こります。
山芋を調理する際には、ゴム手袋などを着用するとかゆみを予防出来ます。
またシュウ酸カルシウムは熱に弱いため、肌に付着してかゆみを感じる場合は、
お湯で手を洗うなどすると対策になります。またお酢にもかゆみを防止する効果があるため、
調理の際に水で薄めたお酢を手に塗っておくことも有効です。
山芋の保存方法
山芋を1本まるまる購入した際には、1度では食べきれず余ってしまうことも多いと思います。
保存する際には以下を参考に、おいしい長芋を最後まで楽しみましょう。
まず、1本丸ごとのものは、乾燥を防ぐため新聞紙等で包み、
日の当たらない風通しの良い冷暗所、または冷蔵庫の野菜室で保存すると長持ちします。
切ったものが余ってしまった場合には、
長芋はカットした部分の切り口から劣化してしまうため、
切り口に空気が触れない様ラップなどでしっかり密閉し、野菜室で保存しましょう。
冷蔵保存で1〜2週間は美味しく食べることができます。
また、摩り下ろしたものを小分けにして、冷凍保存しておくのも便利です。
食べる際には自然解凍し、ご飯にかければ手間をかけずにとろろご飯の完成です。
冷凍保存なら、1ヵ月ほどは美味しく食べられるため、
常備菜として保存しておくとプラス一品にすぐ活用でき非常に便利です。
是非活用してみてください。
山芋の健康パワーで師走も元気に駆け抜けよう
摩り下ろしてトロトロの食感を楽しむも良し、
サラダや漬物でシャキシャキ食感を楽しむのもよし、
焼き物、揚げ物、お好み焼きのつなぎなど、様々な調理で楽しめる山芋。
滋養強壮に優れた山芋を食卓に取り入れ、忙しい年末年始も元気に駆け抜けましょう。