本日3月8日は、女性の権利と世界平和を目指す「国際女性デー」です。
また女児の健やかな成長を祈る「ひな祭り(3月3日)」を含むこの期間、
3月1日〜8日は「女性の健康習慣」でもあります。
女性が活躍する世界、心身ともに健康である未来に向け、
女性の健康に対する知識を深めましょう。
女性の健康を考える上で近年問題視されているのが…若い女性のやせ問題です。
毎年様々なダイエット法がブームとなりますが、
実は痩せる必要がないのに無理なダイエットを繰り返している女性達も多く、
低栄養による様々な健康リスクが問題視されてます。
そこで今回は、
【女性のやせ過ぎ・低栄養問題】についてご紹介します。
間違ったダイエットや過度な痩せ信仰には具体的にどの様なリスクがあるのか、
是非この機会に知識を深め、心身ともに健康な女性の未来について考えてみましょう。
女性の「痩せ」が社会問題に?
厚生労働省が実施した2017年度の国民健康・栄養調査によると、
肥満度(BMI)が18.5未満の「痩せ(低体重)」が、
20代女性では21.7%に上ることが分かっています。
5人に1人が痩せに分類されるにもかかわらず、それでも尚「痩せ」または「普通体型」でありながら、
極端な食事制限などの間違ったダイエットに取り組む人が後を絶ちません。
間違った食生活、無理なダイエットにより心身の健康を害してしまう人も多く、
今や女性の痩せは社会問題となっているのです。
こうした痩せ信仰が広まる背景には「痩せている方が良い」「可愛い」
とする間違った価値観の広まりがあります。
実際、テレビや雑誌などで活躍するモデル・女優、アイドルの多くが痩せ型ですから、
若い女性がそうした体型を目標とするのも無理はありません。
しかし、痩せすぎや低栄養は心身ともに様々なリスクをもたらす危険があります。
痩せ過ぎ・低栄養のリスク
痩せ過ぎ・低栄養になると、どの様なリスクがあるのでしょうか。
痩せ過ぎのリスクについて具体的に見てみましょう。
月経不順や無月経・不妊のリスク
痩せ過ぎは、月経不順や月経異常、不妊のリスクを起こしやすくなります。
過度なダイエットによる栄養不足、急激な体重の減少等があると、
体は心臓や肺、脳など、命をつなぐ器官にエネルギーや栄養を優先して供給し、
子宮機能を後回しにします。その結果、
正常な子宮や卵巣機能がストップし、無月経や無排卵に繋がるのです。
また過度なダイエットによるストレスもホルモンに悪影響を与えます。
生理は女性の健康のバロメーターと言えます。
月経異常が現れるような急激なダイエットや間違った食生活には注意が必要です。
子供の健康にも悪影響
近年、日本では低出生体重児(2500グラム未満)が増加していますが、
この背景には母親の痩せが関係していると指摘されています。
また小さい体で生まれてきた子供は、エネルギーを溜め込もうとする体質になる為、
成長後に糖尿病や高血圧などの生活習慣病を発症しやすくなると言われています。
自分自身の健康の為だけでなく、生まれてくる子供の為にも、
十分でバランスのとれた食生活を心掛けることが大切です。
骨の健康に悪影響
女性ホルモンには、骨を丈夫にする働きがあります。
痩せすぎや食生活の乱れから女性ホルモンが低下すると、
骨密度が低下し、将来的に骨粗しょう症や骨折のリスクを高めてしまいます。
骨粗しょう症はフレイル(虚弱)や将来寝たきりになるリスクを高めるため、
若い今の内からの対策が重要です。
貧血のリスク
痩せすぎは、低栄養によって貧血、特に鉄欠乏性貧血を引き起こすリスクを高めます。
鉄は、全身の細胞に酸素を運ぶ役割を担っています。
貧血になると脳が酸素不足になり、めまいや立ちくらみを引き起こしたり、
筋肉に影響して、疲れや倦怠感、息切れ等の症状を引き起こす場合があります。
また、妊婦の場合、早産や低出生体重児のリスク上昇など様々な悪影響があります。
ただでさえ、毎月生理のある女性は鉄が不足しやすくなっています。
無理なダイエットや偏った食生活を行うことを避け、
食事から十分な栄養を補い健康な体を維持することがとても大切です。
筋力低下・冷え・肌質の低下
痩せすぎは、タンパク質不足から筋力低下のリスクを高めます。
筋肉が低下することで、運動機能が衰え疲れやすくなったり、転倒のリスクを高める。
また、代謝が落ちて太りやすくなる、体が冷えやすくなるなど様々な悪影響があります。
また、たんぱく質は筋肉の材料になるだけでなく、
健康な肌や内臓、免疫を維持する為にも不可欠です。
タンパク質不足により肌が衰え、シワやたるみが増えたり、
免疫力の低下から病気にかかりやすくなる等、体全体が脆弱になるリスクがあります。
摂食障害(拒食症や過食性)のリスク
過度な痩せ信仰は「食べたら太る」と言う強迫観念を強め、
摂食障害(拒食症や過食性)を引き起こすリスクも高めます。
摂食障害になると益々栄養が不足し、悪循環に陥る危険が増します。
摂食障害が慢性化すると、月経異常や不妊を引き起こす危険が高まります。
栄養不足から、低体温、肝機能障害、骨密度の低下、
低血糖など体の様々な機能が低下する事はもちろん、
うつ病や不安症など精神疾患も合併しやすくなります。
心身ともに健康に生きていくには、
必要な栄養素を日々の食事からしっかりと補うことが大切です。
BMIと体脂肪率で体型をコントロール
体型をコントロールする指標として、多くの人が管理しているのが「体重」の数値だと思います。
しかし、美と健康を加味した場合、体重の数値だけでは管理することは出来ません。
体重だけでなく、「体重÷(身長×身長)」から導き出される「BMI」と、
体組成計を利用し算出する「体脂肪率」(体重に対する体脂肪の割合)
の2つの数値を見る必要があります。
BMIは一般的に、25以上が「肥満体重」、18.5〜24が「普通体重」、
18.5未満が「低体重(やせ)」に分類されます。
健康を守る為にも出来るだけ「普通体重」の範囲内を目指したい所です。
ただし、BMIが普通体重でも、筋肉がなく脂肪ばかりの「かくれ肥満」の場合もあり、
これでは健康であるとは言えません。そこで見るべきが体脂肪率です。
女性の場合、体脂肪率19〜28%が最も病気のリスクが少ない理想の数値とされます。
それ以下になると無月経など体に異常をきたすリスクが高まることから、
BMI18.5〜24、体脂肪率19〜28%の範囲内を目標に、
安全な範囲で自分の理想とする体型を目指しましょう。
適切な体型管理を心掛けよう
痩せ過ぎには、心身ともに様々なリスクがあります。
痩せ過ぎている場合には、栄養バランスのとれた適量の食事、
筋肉を維持する為の適度な運動習慣を身に付けることが大事。
将来の健康を壊す過度な痩せ信仰は捨て、適切な体型管理を心掛けることから
女性本来の美しさ、未来の健康を守って行きましょう。